生まれてきた子供の出自

子供の知る権利に配慮する



卵子提供を受けて妊娠することに、将来生まれてくる子供の同意を得ることは不可能です。ですが、妊娠して胎児となり実際にこの世界に生まれてきた子供には、自分の出自を知る権利があります。
子供自身に卵子提供によって生まれた子供であることを伝えるかどうかを決めるのは親です。子供に卵子提供のことを伝えた場合、自分の遺伝的な母親が誰なのかや、なぜ育ての母親が卵子提供をすることにしたのかなどを知りたいと思うのは自然なプロセスでしょう。また、卵子提供のことを隠していた場合、ふとしたことがきっかけで、自分と母親に遺伝的なつながりがないことを知る可能性があります。そのような時に子供が知ることを求めてきたら、子供に真剣に向き合ってあげることが重要です。自分のアイデンティティを知ることは立派な権利の一つだからです。

子供に伝える時は慎重に行う


子供に出自を伝える時は慎重に行う必要があります。思い付きで適当に話してしまってはいけません。そのことが、子供に与える影響などを慎重に見極めることが大切です。できれば、夫婦や卵子提供者とも子供が産まれる前に、子供の出自についてどのように伝えるのかを取り決めておくとよいでしょう。
子供に出自を伝えるタイミングとして、幼いころから言い聞かせておく場合と、ある程度大きくなってから話す場合が考えられます。幼いころから言い聞かせることは、多様な家族の形があることを自然と受け入れることができるというメリットがあります。一方で、理解ができなかったり、第三者に言いふらしてしまったりする可能性があります。大きくなってから話すことは、理解はしやすい一方で、精神的に不安定になる可能性があります。どちらを選ぶ場合も、卵子提供時から将来的に子供の出自に関する問題があるということを忘れてはいけません。